意外と知らない!?防水・防塵イヤホンの種類・用語とお勧め

2024.12.062025.01.13
EARPHONE
特集記事
防水イヤホン
防水防塵スピーカー

持ち出すことが多いイヤホン(ヘッドホン)にあると便利な機能防水・防塵。
商品を選ぶうえで聞きなれない用語や規格があると思いますのでそちらのご説明もかねてお勧め商品をご紹介いたします。

1.防水・防塵の基本知識

IP規格について:防水・防塵機能を見極めるポイント

防水や防塵性能を示す「IP規格」は、イヤホンやヘッドホンの耐環境性能を見極めるために重要な基準です。IP規格(Ingress Protection Code、国際保護等級)は、電子機器や設備が水や固形物(ホコリなど)からどれだけ保護されているかを示す国際的な規格です。

国際電気標準会議(IEC)が定めた規格「IEC 60529」に基づいています。防水性能はIPX0からIPX8まで段階があり、数値が高いほど優れた耐水性能を示します。同様に、防塵性能はIP0XからIP6Xが基準になります。

下記が数字に対する指標になります。

IPの右側1列目(防塵性能、固形物に対する保護):

数字
保護内容
説明
0
無保護
保護なし
1
直径50mm以上の物体に対して保護
大きな固形物(手など)が侵入しない
2
直径12.5mm以上の物体に対して保護
指や中程度の物体が侵入しない
3
直径2.5mm以上の物体に対して保護
小さな工具等が侵入しない
4
直径1mm以上の物体に対して保護
ほとんどの固形物が侵入しない
5
粉塵に対して部分的に保護
有害な量の粉塵が入らない
6
粉塵に対して完全に保護
完全防塵

IPの右側2列目(防水性能、水に対する保護):

数字
保護内容
説明
0
無保護
保護なし
1
垂直に落ちる水滴に対して保護
垂直に落ちる水滴が内部に侵入しない
2
垂直15°以内の水滴に対して保護
少し傾いても水滴が内部に侵入しない
3
噴霧された水に対して保護
噴霧状の水に耐性がある
4
飛まつ水に対して保護
どの方向からの水しぶきにも耐える
5
噴流に対して保護
ノズルからの水流に耐えられる
6
強い噴流に対して保護
強い水流にも耐えられる
7
一時的な水没に対して保護
1mの深さで30分間の浸水に耐えられる
8
継続的な水没に対して保護
メーカー指定の条件で耐えられる
9
高圧・高温の水流に対して保護
高圧洗浄などに耐えられる

防塵機能が必要なシーンとその重要性

防塵機能は砂埃の多い場所や風が強い環境でイヤホンやヘッドホンを使用する際に重要な性能です。たとえば、アウトドアシーンでは、細かな砂や埃がデバイス内部に侵入すると故障の原因になりかねません。特にIP6Xのような高い防塵性能を持つ製品は、過酷な環境下でも安定して使用できるメリットがあります。

また、日常生活でも防塵機能が役立つ場面は多いです。例えば、通勤時にカバンやポケットに入れたイヤホンが埃まみれになり、長く快適に使用できなくなるケースを防ぐためにも、防塵対応製品を選ぶことが推奨されます。

防水と防滴の違いを正確に理解する方法

防水と防滴の違いを正確に理解することは、適切な製品選びにおいて非常に重要です。「防滴」とは、小雨や軽い水しぶきに耐えられる程度の性能を指します。一方、「防水」はより高い水耐性を意味し、特定の水深に浸漬しても問題がない性能を持つことを示します。

たとえば、IPX4は防滴性能で、ランニング中の汗や軽い雨に耐えられますが、水に浸す用途には向きません。一方、IPX5以上は防水でIPX7やIPX8になると水中での使用が可能です(メーカーによって詳細の条件は異なります)。

スポーツやアウトドアで使用するイヤホンやヘッドホンを選ぶ際には、自分のアクティビティに合った等級を選ぶことが必須です。この違いを理解することで、より長く快適に製品を使用することができます。

2.実際のIP規格に対応するイヤホンやスピーカーは?

防水・防塵に関連する用語を正確に理解することは、イヤホンやヘッドホンを選ぶ際に非常に重要です。これらの用語は商品の性能を示す指標であり、防水性や防塵性がどの程度かを確認するための基準となります。実際、例えばIP22など低い指定をしている商品はあまりなく、本セクションでは、IPX4以上から具体的な商品例についてお勧めを記載させていただきます。

IPX4: SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS

soundpeats-air3-deluxe-hs

IPXなので防塵性能はなく、IPX4このあたりはいわゆる耐水や防滴という表現になります。
ランニング中の汗や軽い雨に耐えられますが、水に浸す用途には向いておりません。

IP55: Edifier X5 Pro

IP55は防水・防塵イヤホンになります。具体的には屋外での使用(雨やホコリの多い環境)や軽い水洗い(例えば、泥汚れを流す程度)。 日常的な水濡れ(シャワー程度の水流)であれば問題ないということになります。

IP55: オーディオテクニカ ATH-CKS30TW

audio-technica オーディオテクニカ ATH-CKS30TW

こちらもIP55なので先ほどと同様防水・防塵になります。IP55あたりが生活防水として十分な機能になり普段使いメインのイヤホンとした場合はかなり高い機能といえます。

IPX7: EarFun Free 2S

IPXなので防塵性能はないですが、IPX7は防水(一時的な水没に対して保護)になります。
具体的には水たまりに落としてしまった場合でも、すぐに取り出せば問題なし。シャワーの水しぶきや雨で濡れる程度は問題なし。水中で一時的に使用が可能(1メートル以内、30分以内)。IPX7はかなり高い防水性能ですので、5000円前後で購入できるEarFunのFree 2Sは音もよくお勧めできます。

IPX67: EarFun UBOOM L

EarFun UBOOM L

IP67は一時的な水没に対して保護、粉塵に対して完全に保護となりますので、ほぼ最高クラスの防水防塵性能といえます。
IP67になると、スピーカーや骨伝導イヤホンであったりが多くなります。(必要性の問題もあるかもしれません)

3.選び方のポイント:自分に合った製品を見つけるコツ

防水性能だけではなく装着感も重視

防水性能は防水イヤホンやヘッドホンを選ぶ際の重要なポイントですが、装着感も見逃せない要素です。長時間使用することが多い場合、フィット感が悪いと耳への負担が大きくなり、快適性が損なわれます。例えば、ランニングやスポーツの際には、耳から外れにくいイヤーフック付きのモデルや、フィット感を調整できる付属のイヤーチップがある製品がおすすめです。

また、完全ワイヤレスイヤホンであれば、耳の形に合わせた多彩なサイズ展開が揃うブランドを選ぶのも良いでしょう。防水性能だけでなく、使用シーンに応じた装着感を重視することで、より快適に使用することができます。

予算別に見るおすすめ防水モデルの選び方

防水性能の高いイヤホンやヘッドホンは、性能やブランドに応じて価格帯が幅広くなっています。低価格帯では、IPX5程度の基本的な防水性能を備えたモデルが多く、通勤や日常使いに適しています。一方、中価格帯では、IPX7やIPX8の防水性能に加え、音質やバッテリー持続時間が向上しています。

高価格帯になると、ノイズキャンセリング機能やマルチポイント機能など、より便利な機能が充実しているのが特徴です。予算に応じて、用途や必要な機能を明確にし、最適なモデルを選ぶのがポイントです。

最新モデルを選ぶ際に注目したい防水規格の進化

イヤホンやヘッドホンの防水規格は日々進化しており、新しい製品にはより高い防水性能が期待できます。特に、IPX7やIPX8などの高い防水等級を持つモデルは、雨天での使用や水泳時でも安心して使える仕様です。ただし、IPX規格では防塵性能が含まれない場合もあるため、防塵性能を示す「IPXX表記」を確認することも重要です。

また、最新モデルでは、防水性能だけでなく、音質や接続安定性、外音取り込み機能などが進化しているケースがあります。防水だけでなく多機能性を求める場合は、最新の技術を搭載したモデルをチェックすると良いと思います。

4.記事まとめ

以上が防水・防塵とその規格についての記事になりました。生活防水という面でも必要な機能になりつつありますので、コスパや音質面もきにしながら自分にあったイヤホン探しに本記事を参考にしてみてください。