DAW:フィルターとは?マスターしてプロ並みの音作りを実現

投稿日:2025.12.08
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今回はDAWにおける「フィルター」について基本や役割、そして音作りの極意についてご説明させていただきます!

1.フィルターとは?その役割と基本を学ぶ

疑問

フィルターの基本的な定義と種類

音楽制作やシンセサイザーで使用される「フィルター」とは、特定の周波数を選別してカットしたり、強調したりする役割をもつオーディオエフェクトや機能のことを指します。元々の意味である「濾過器」のように、フィルターは音の周波数を「濾す」ことで、特定の音だけを残したり取り除いたりすることができます。

 フィルターにはいくつかの主要な種類があります。例えば、LPF(ローパスフィルター)は高音域を除去し低音域を通過させるのに対して、HPF(ハイパスフィルター)は低音域を除去して高音域を通過させます。また、BPF(バンドパスフィルター)は中音域だけを通し、それ以外をカットする一方、ノッチフィルターは特定の周波数帯だけを除去するという特徴があります。これらの特性を理解することで、DAWやシンセサイザーでのフィルター操作がより直感的になります。

ローパス・ハイパスなど主要フィルターの特徴

ローパスフィルター(LPF)とハイパスフィルター(HPF)は、音作りにおいて最もよく利用されるフィルターの2つです。
ローパスフィルターは高音域を減衰させ、低音域を際立たせるのに適しています。これにより、温かみのある柔らかなサウンドを生成するのに役立ちます。シンセサイザーでは、このフィルターを通じて豊富な倍音を持つ波形を整え、滑らかな音色を作り出すことが可能です。

一方、ハイパスフィルターは低音域をカットして高音域を強調します。これにより、余分な低音が削減され、音がスッキリとした響きになります。特に、ミキシングにおいてボーカルトラックやハイハットなどのパート処理でよく使われるフィルターです。フィルターの切れ具合は「dB/Oct(デシベル/オクターブ)」で表され、6dB/Octから24dB/Octまで選べる場合が多いです。この設定によりフィルターの減衰速度をコントロールできます。

DAWやシンセで使用されるフィルター設定の基本

DAW(デジタルオーディオワークステーション)やシンセサイザーでフィルターを設定する際、基本となるのは「カットオフ周波数」と「レゾナンス」のパラメータです。カットオフ周波数は、音をどの周波数帯域でカットするのかを決定します。たとえば、ローパスフィルターの場合は、この設定でどの範囲まで高音を削減するかを調整できます。

レゾナンスは、カットオフ周波数付近の音を強調するための機能です。この設定により、音が生き生きとした印象に変化します。特にシンセサイザーでは、レゾナンスを高めて独特の「鳴き」や「うねり」を加えたサウンドを作り出すことができます。これらを上手に活用することで、音に深みや個性を持たせることが可能です。

エフェクトとしてのフィルター活用の基礎知識

フィルターは、単なる音の調整ツールとしてだけでなく、エフェクトとしても幅広く活用されています。たとえば、オートフィルタープラグインを使用すると、カットオフ周波数をLFOやエンベロープによりモジュレーションすることが可能です。こちらにより、ダイナミックな音の変化を楽曲に取り入れることができます。

さらに、フィルターは他のエフェクトと組み合わせて使用することで、よりユニークなサウンドデザインが可能です。ディレイやリバーブとともに利用することで空間的な広がりを演出したり、ディストーションの前段に配置してサウンドの特定部分を強調したりします。こうした使い方をマスターすることで、DAWを使った音作りが一段とプロの仕上がりに近づきます!

2.フィルターの使い方:基本操作と初期設定ガイド

カットオフ周波数とレゾナンスの調整方法

フィルターの中核をなす操作が、「カットオフ周波数」と「レゾナンス(共振)」の調整です。カットオフ周波数は、フィルターが音を通すかカットする境界となる周波数を設定しており、ローパスフィルターではこれを下回る周波数が通され、これを超える周波数はカットされます。一方、ハイパスフィルターの場合は逆で、高音域の一部を通し、低音域をカットします。

レゾナンスは、カットオフ周波数付近の音を強調する効果を持っており、音に存在感やエッジを加えることができます。
ただし、レゾナンスを強くかけすぎると「ピーキー」で耳障りな音になりやすいため、楽曲のバランスを崩さないよう注意が必要です。DAWでは、スライダーやノブを操作することで調整できます。

典型的なEQフィルターとの違いを把握する

フィルターは音の特定の周波数をカットする装置ですが、EQ(イコライザー)と混同されることがあります。EQフィルターはフィルター機能の一部を持ちながらも、多くの場合周波数の微細な調整やブーストに特化しています。具体的には、EQでは複数の周波数帯を対象にした細かい増減が可能ですが、フィルターは音の大きな流れをコントロールする役割が大きいです。

 また、EQには高音域を調整するハイシェルフや、低音域を強調するロウシェルフといったトーンシェイピング機能も含まれます。一方でフィルターは、音のカットやブーストによる大胆な変化を生み出すため、例えばシンセサイザーやDAWでダイナミックな音作りに良く用いられます。この点を把握することで、用途に応じてどちらを使用するべきか判断しましょう。

DAWワークフローにフィルターを取り入れる手順

DAW環境でフィルターを取り入れる際は、いくつかの基本的な手順がポイントとなります。
まず、トラックにフィルターエフェクトを挿入します。多くのDAWには、デフォルトのオーディオプラグインとしてローパスフィルターやハイパスフィルターが用意されています。さらに、サードパーティ製のフィルタープラグインを活用すれば、より広範な表現力を獲得することができます。

 次に、エフェクトをかけたい部分にカットオフ周波数やレゾナンスを調整します。一例として、キックドラムにはハイパスフィルターを適用して不要な超低音域をカットすることで、トラックの音圧を整える作業が行えます。逆に、リード音やパッド音にはローパスフィルターを使用し音を柔らかくするなどの操作が可能です。フィルターの調整と合わせて、DAWのオートメーション機能を活用すると、フィルターの効果を時間軸で変化させることもできます。

3.プロレベルの音作りに役立つ高度なテクニック

サウンドメイキングでのフィルターの応用例

フィルターとは、音の特定の周波数帯をカットしたり、強調する機能を持つ重要なツールです。プロレベルの音作りにおいては、フィルターを巧みに活用することで楽曲に独自の表情を与えることができます。
例えば、シンセサイザーのローパスフィルター(LPF)を利用して、高音域を控えめにしつつ、暖かみを感じさせるサウンドを作り出せます。また、ハイパスフィルター(HPF)を使用することで、不要な低音を削り、音をクリアに整理することが可能です。

特にDAWを使用した音作りでは、倍音を豊かに持つ波形にフィルターを組み合わせて音色を減算合成することで、楽曲全体に深みを持たせることができます。応用例を理解し実践することで、音作りの幅が一層広がります

動的フィルター操作で生まれる音色の変化

フィルターを動的に操作することで、音色にダイナミクスや変化を加えることが可能です。このテクニックでは、エンベロープやLFO(低周波発振器)でフィルターのパラメータをモジュレーションします。例えば、LFOをローパスフィルターのカットオフ周波数に割り当てれば、規則的に音色が明るくなったり暗くなったりするエフェクトを生み出せます。

また、エンベロープジェネレーター(ADSR)を活用することで、入力音に応じたリアルタイムなフィルター変化を実現できます。この技法を活用する場面として、シンセベースラインの躍動感を高めたり、ボーカルの音色に独特の移動感を加えるといった実例があります。動的なフィルター操作をマスターすることで、楽曲にプロフェッショナルな完成度と個性をもたらすことができます。

フィルタープラグインの選び方とおすすめ製品

フィルタープラグインを選ぶ際のポイントは、音質、操作性、モジュレーション機能の充実度などを考慮することです。プロ用途では、用途に応じて複数のプラグインを使い分けることも一般的です。例えば、FabfilterのVOLCANO3は多彩なフィルターモードと直感的なインターフェースで知られ、SoundtoysのFilterFreakはLFOやエンベロープによる豊富なモジュレーションオプションを提供します。

また、Audio ThingのTHE ORBは、スペース感のある音色を作るのに適しています。加えて、ARTURIAのFilter M-12やIzotopeのNeutron4なども、特定のサウンドメイキングに特化した使いやすい製品として評価されています。どのプラグインを使用するかは、自身の音楽制作の方向性やDAWの環境に合わせて選ぶことが重要です。

4.フィルターの表現力を深めるための実践例

ベース音やリード音での効果的なカット設定

 ベース音やリードサウンドは楽曲の主軸を形成するため、音作りが非常に重要です。フィルターとは音の周波数を調整する要素ですが、これを細かく設定することで楽曲全体の質感を飛躍的に向上させることができます。

たとえば、ローパスフィルター(LPF)を使ってベース音の上位周波数をカットすることで、ミックス内の低域がクリアになり、高音域のリードやパッドとの干渉を防ぐことが可能です。一方、リード音ではハイパスフィルター(HPF)を使用して低域の不要な音を削ると、他の音との分離感を高め、楽曲全体を整然とした印象に仕上げられます。これらのフィルター設定をDAW内で簡単に操作できるのもデジタルサウンドの魅力です。

ボーカルの加工にフィルターを活用する方法

ボーカルの存在感を高めるには、適切なフィルター設定が欠かせません。ノッチフィルターによってボーカル特有の不要な周波数をピンポイントで除去することが可能です。また、ローパスフィルターで微細な高音域を調整することで、サ行の過剰な強調を緩和し、全体的な音質を滑らかにすることができます。

逆に、ハイパスフィルターを用いて低域のノイズやブレス音をカットすれば、ボーカルが楽曲のミッド—ハイレンジにきれいに収まります。こうした加工は特にDAWなどのデジタル環境で活用しやすく、ボーカルトラックを際立たせる重要なテクニックです。

フィルターで楽曲全体に統一感を持たせる

楽曲全体に統一感を与えるためには、フィルター設定が非常に効果的です。バンドパスフィルター(BPF)を活用して特定の周波数帯域を強調すると、曲全体に共通したトーンやイメージを作り出すことができます。また、ローパスフィルターをかけることで余分な高音域を抑え、温かみのあるサウンドスケープを形成することも可能です。

これをDAW内で各トラックに適用することで、複数のトラックが同じ空間に溶け込み、楽曲全体に一貫した雰囲気を持たせることができます。この技術は、特にミックスダウンの工程で重宝する方法といえます。

5.記事のまとめ

以上がDAWにおけるフィルターの基本~応用の記事となりました。使い慣れるだけでかなりプロ感が出るエフェクトですので、ぜひ参考にしてみてください!

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