DAWって何?PCソフトウェアで音楽を作る

2023.12.15
DAW

今回はハウス、テクノ、EDMを初め、PCでの楽曲制作に使用される、DAW(Digital Audio Workstation)について種類の詳細を詳しくご紹介したいと思います。

1.DAWって何?

DAW(Digital Audio Workstation)は、デジタル音楽制作や録音、編集、ミキシング、マスタリングなどの作業を行うためのソフトウェアやハードウェアの統合環境を指します。DAWは、コンピュータ上で音楽やオーディオを制作するための中心的なツールとして使用されています。以下のように代表的な機能となっています。

マルチトラック録音
DAWには複数の音声トラックを同時に録音できる機能があります。複数の楽器や音声を同時に収録し、後でそれらを編集できます。

MIDIシーケンシング
MIDI(電子楽器のデータを機器間で転送・共有するための共通規格)を扱い、仮想楽器や外部のMIDI対応機器を制御することができます。共通規格などといわれて少しややこしいかもしれませんが、楽器の音などをを取り込んで編集することができる、というイメージです。DAWには録音された音声やMIDIデータを編集するための機能が豊富に用意されています。切り取り、貼り付け、フェードイン・フェードアウト、タイムストレッチなどが可能です。

ミキシング
複数のトラックからなる楽曲をミキシングするためのツールを提供します。エフェクトやプラグインを使用して音の調整や空間効果を加えることができます。

マスタリング
完成した楽曲全体に対して、最終的な音質調整やレベルの均一化を行うマスタリングが可能です。

DAWの種類、違いは?

DAWにも様々な種類がありますが、特にポピュラーなものを5種類とその性能をご紹介します。

Ableton Live

Ableton Liveは、ライブパフォーマンスにおいて優れており、セッションビューと呼ばれるモードでは、楽曲のパーツをリアルタイムで組み合わせることができます。 クリップのループやリアルタイムなエフェクトの操作、トラックベースのアレンジメントなどが可能です。

MIDIコントロールの柔軟性が高く、コントローラーや外部デバイスとの統合が容易です。 MIDIデバイスやコントローラーに対して自由なマッピングができ、パフォーマンス中にリアルタイムで操作できます。Max for Liveと呼ばれる統合されたプラットフォームがあり、制作会社が異なるサービスを統合できます。

ワープ機能を搭載しており、異なるテンポや拍子に対応できます。こちらはリミックスやリアルタイムのアプローチに役立ちます。

FL Studio

FL Studio(旧称:FruityLoops)は、パターンベースのシーケンサーを採用しており、パターンと呼ばれる小さな楽曲の断片を組み合わせて編曲することが可能で、ループやフレーズを効果的に組み合わせることができます。初心者にも優しいシンプルなインターフェース(ユーザビリティ)で、直感的なドラッグ&ドロップ操作が可能であり使いやすいという特徴があります。サウンドライブラリやビルトインの仮想楽器がもあり、これに加えて、エフェクトプラグインも標準で提供されており、多彩な音響効果を追加できます。

ライブパフォーマンスにおいて優れた機能「Performance Mode」も搭載しており、ライブやリアルタイムでも活躍します。

Image-Line(FL Studioので開発会社)は継続的にソフトウェアをアップデートし、新しい機能や改善点を追加しており、FL Studioのコミュニティ規模も大きいので、ユーザー間での情報交換やサポートが行われています。

Avid Pro Tools

Pro Toolsは、多数のトラックをサポートし、マルチトラック録音および編集を行うことができ、ミキシング、エフェクトの追加、編集など、音楽制作のあらゆる段階で使用できます。オーディオプラグインを備えており、他のハードウェアとの連携も可能です。

高品質なオーディオエンジンを搭載しており、プロフェッショナルなサウンド処理が可能です。高解像度オーディオや多チャンネルオーディオもサポートしています。業界標準のオーディオプロトコル(オーディオの通信ルール)であるAvid Audio Engineを使用しており、大規模なプロジェクトにも対応しています。

ビデオ編集機能も備えており、フィルムやビデオ制作においても使用されることがあります。

Apple Logic Pro X

Logic Pro Xは、音楽制作全般にわたる完全統合のツールセットを提供しています。録音、編集、ミキシング、マスタリングなど、音楽制作に必要な機能がひととおり備わっています。また多くのサウンドライブラリが含まれており、シンセサイザーやドラムキット、オーケストラ音源など楽器やサンプルを手軽に使用できます。

Flex TimeとFlex Pitchという機能が備わっており、 Flex Timeは、録音された音楽のタイミングやリズムを調整するための機能、、Flex Pitchはボーカルや楽器の音程を編集できる機能です。

Avid Pro Tools同様、ビデオ制作、編集が可能で映画やテレビ制作においても使用されることがあります。

Steinberg Cubase

Cubase(キューベース)は、ドイツの音楽ソフトウェア開発会社であるSteinbergが開発したDAWです。同時に複数の音声トラックを録音できるため、バンド録音や多重録音が行いやすいです。また、編集機能も豊富で、MIDIデータやオーディオデータを細かく調整できます。MIDIデータの編集や作成が得意なCubaseは、豊富な仮想楽器を搭載しており、リアルな楽器音源をソフトウェア上で使用できます。プロフェッショナルなミキシングエンジンと多彩なエフェクトプラグインも備えています。プロジェクトを効果的に管理できるツールが提供されているので、大規模な制作から小規模なプロジェクトまで対応しています。

CubaseはプラグインのVST(Virtual Studio Technology)を採用しており、VST対応の仮想楽器やエフェクトプラグインを導入できます。これにより、他社開発のプラグインを使用して拡張することができます。

Cubaseにもビデオトラックの挿入と編集ができる機能があり、映画やテレビの音楽制作においても利用されます。

リモートコラボレーションを可能にするVST Connectが組み込まれているので、遠隔地のミュージシャンとのセッションが容易に行えます。

3.DAWについてまとめ

音楽制作に使用されるソフトウェア、DAWの概要や種類についてご紹介させていただきました。
DAWには外部のプラグインやエフェクトを取り入れることができますので、機会があればそちらも試してみてはいかがでしょうか。 自分が制作したい音楽のジャンルに合わせ、DAWの種類を選定してみてください。

プロフィール

テクノなど音楽好きのWEB制作者(デザイン+フロントエンド)。WEB関係、メディア事業だけではなく、音響制作事業も展開。

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